映画「何者」を観るべきではない人
こんにちは。
映画「何者」、公開されましたね。ついに。
今日は、この映画を観るべきではない人についてお伝えしたいと思います。
よろしくお願いします。
ちなみにネタバレ的要素がないとは言い切れないので、これから観る予定でそういうのが気になる人は読まない方がいいと思います。
自分が小説を読んで思ったこと
自分の場合は小説からこの作品を知ってるんですけど、まあキツい内容なんですよね。
詳しくは上のリンクを参考にしていただくとして、今回は映画の内容についてコメントしていきたいと思います。
これは呪いのストーリーである
何者という物語は全体を通して人々にイヤな気持ちをもたらします。
もうこれは呪いです。
では具体的にはどんな人に刺さってしまうのかですが、
・来年の春には何者かにならなければいけない、大学4年生に刺さります。
・就活に成功して人間として肯定された気分になっている学生に刺さります。
・なんとなく就活して、なんとなく就職した社会人に刺さります。
・「今日はカフェで打ち合わせ。視野が広がった」とかツイートする意識高い系に刺さります。
・こういうことを書くなどして人を俯瞰で見るタイプの根暗な人間に刺さります。
もうね、あらゆるジャンルの人間に刺さるんですよ。
自分をうまく騙して気持ち良く生きていたのに、それを次々とえぐり出すんです。
登場人物のセリフを使って表現すれば、
就活は「自分が痛くて寒くてダサいところにいる」ということを自覚しながらも、自分を騙してもがき回るフィールドなんですよね。
だから、いまの時期の大学4年生はホントは観てはいけないと思います。
自分を騙せなくなって就活に支障が出ます。
大学生活を有意義だと思いながら過ごしたいなら、観ないことをオススメします。
でもやっぱり映画なので攻撃力が低い
まあ、しょうがないです。
小説の方が長い時間をかけて物語に入り込めるんですが、2時間程度の映画では他人事のように思えてしまう。
そんで、小説のほうでは主人公(拓人)に自分を投影して読み進めたもんだから、最終的に全力右ストレートを食らうんですが、映画だと序盤のほうから拓人が悪者のように描かれている。つまりジャブがあります。
そのせいで、最後の最後に打ちのめされるような思いはしないようになってるわけです。
さらに、映画の最後で拓人が改心して就活生として立ち上がるシーンがあるんですが、これは小説にはない描写です。つまり、映画では救いのストーリーになってるんです。
だから、今自分が置かれている状況について理解した上で前向きに大学生活が送れそうなら、観てもいいんじゃないかと思います。
僕には無理でしたけどね。